スイス・ローザンヌ
(ビジネスワイヤ) — 主要ながんを標的にした専有的な抗体薬物複合体(ADC)の開発を専門とするオンコロジー創薬/開発企業のADCセラピューティクス(ADCT)は本日、リンパ腫と白血病の重要な亜型でADCT-402(loncastuximab tesirine、“Lonca-T”)を評価している2件の第I相臨床試験の臨床データを発表しました。データは米国アトランタで開催された第59回米国血液学会(ASH)年次総会で報告されました。
1. 再発性/難治性B細胞非ホジキンリンパ腫を罹患した患者でADCT-402の忍容性・安全性・薬物動態・有効性を評価する第I相非盲検単剤用量漸増試験の中間結果
セントルイス・ワシントン大学メディカルスクール腫瘍内科のブラッド・カール医師(M.D.)は、次のように述べています。「相当数のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者が再発したり、既存の治療薬に不応性になったりしており、承認済みの治療選択肢を持っていません。そのため、この治療困難な患者集団において、35パーセントの完全奏功率を含め、120 µg/kg以上のLonca-Tによる治療で60パーセントの全奏功率(ORR)が達成されたことに大変感激しています。データは成熟過程にあるものの、私たちはこれまでの約5カ月という奏功期間中央値にも大変励まされています。全体として、これらの結果はこの未充足ニーズに対応するためのLonca-T臨床プログラムを迅速展開すべきことを正当化するものです。」
データは、多種類の療法による前治療歴を持ち、臨床的利点を提供することが知られている何らかの既存療法での治療に失敗したか、同療法に不耐症である評価可能患者138人から得られたものです。患者年齢の中央値は64歳で、これら患者は中央値で3種の前治療を受けていました。データは2017年11月1日現在の第I相試験におけるパート1およびパート2から報告されました。パート1(用量漸増)では、88人の患者が15-200 µg/kgの用量範囲で治療を受けました。パート2(用量拡大)では、50人の患者が120 µg/kgまたは150 µg/kgで2コホートに分かれて治療を受けました。
下記の重要な知見が口頭発表で報告されました。
- パート1で有効性評価対象となる68人は、120 μg/kg以上の用量で治療を受けた。ORRは60パーセント(41/68患者)で、24人は完全奏功(35パーセント)を、17人は部分奏功(25パーセント)を達成。
- パート1で有効性評価対象となるびまん性大細胞型B細胞リンパ腫患者49人は、120 µg/kgの用量で治療を受けた。ORRは55パーセント(27/49患者)で、18人は完全奏功(37パーセント)を、9人は部分奏功(18パーセント)を達成。
- ADCT-402はある程度の忍容性を示した。
- パート1およびパート2の20パーセント以上の患者で治療中に発現した最も一般的な有害事象(全グレード)は、疲労(44パーセント)、悪心(28パーセント)、γ-グルタミルトランスフェラーゼ上昇(27パーセント)、貧血(25パーセント)、末梢浮腫(25パーセント)であった。患者の5パーセント以上(全属性)で発生したグレード3ないし4の最も一般的な有害事象は、好中球数減少症(15パーセント)、γ-グルタミルトランスフェラーゼ上昇(15パーセント)、貧血(12パーセント)、血小板数減少(12パーセント)、好中球減少症(12パーセント)、血小板減少症(9パーセント)、血中アルカリホスファターゼ上昇(5パーセント)、疲労(5パーセント)、リンパ球数減少症(5パーセント)、白血球数減少症(5パーセント)であった。
- 第I相試験のパート2における用量拡大は、パート1の推奨用量(すなわち120 μg/kgまたは150 µg/kg)で継続できる。
2. 再発性/難治性非ホジキンリンパ腫の患者で新規のピロロベンゾジアゼピン含有抗体薬物複合体ADCT-402(Loncastuximab Tesirine)を検討する第2相試験での推奨用量を決定するための曝露-反応関係(安全性および有効性)の解明
本ポスター発表では、安全性および有効性の観点で薬物曝露と反応の関係を解明するための薬物動態(PK)に関するデータを報告しました。
3. 再発性/難治性B細胞急性リンパ芽球性白血病を罹患した患者でADCT-402の忍容性・安全性・薬物動態・有効性を評価する第I相非盲検単剤用量漸増試験の中間結果
データは、多種類の療法による前治療歴を持ち、臨床的利点を提供することが知られている何らかの既存療法での治療に失敗したか、同療法に不耐症である評価可能患者29人から得られたものです。患者年齢の中央値は50歳で、これら患者は中央値で2種の前治療を受けていました。データは2017年11月1日現在の第I相試験におけるパート1から報告されました。パート1(用量漸増)では、患者が3週毎に15-150 µg/kgまたは1週毎に50 µg/kgの用量範囲で治療を受けました。
ポスター発表では下記の重要な知見が報告されました。
- 4人の患者で骨髄での完全奏功を達成した。
- ADCT-402はある程度の忍容性を示した。
- 20パーセント以上の患者で治療中に発現した最も一般的な有害事象(全グレード)は、悪心(31パーセント)、疲労(24パーセント)、発熱性好中球減少症(24パーセント)、頭痛(24パーセント)であった。患者の10パーセント以上(全属性)で発生したグレード3ないし4の最も一般的な有害事象は、発熱性好中球減少症(24パーセント)、好中球数減少症(14パーセント)、菌血症(10パーセント)、腹痛(10パーセント)、肺感染症(10パーセント)、敗血症(10パーセント)であった。
- 用量漸増を1週毎の投与で今後も継続する。
ADCT-402について
抗体薬物複合体(ADC)のADCT-402は、ヒトCD19に結合するヒト化モノクローナル抗体に、ピロロベンゾジアゼピン(PBD)の二量体毒素をリンカーを介して結合させたものです。ADCT-402がCD19発現細胞に結合すると、細胞内に取り込まれ、酵素がPBDベースの結合薬剤を解放します。CD19はB細胞腫瘍を治療する上で臨床的に検証済みの標的です。PBDベースの結合薬剤は極めて毒性の高いDNA 鎖間架橋を形成することで、細胞分裂を阻害し、細胞死をもたらします。ADCT-402は再発性ないし難治性のB細胞急性リンパ芽球性白血病(ALL)を罹患した患者を対象に、進行中の第I相臨床試験2件で評価しています。(www.adct-402.com)
ADCセラピューティクスについて
ADCセラピューティクス(ADCT)は、血液悪性腫瘍および固形腫瘍の主要タイプを標的にした専有的な抗体薬物複合体(ADC)の開発を専門とするオンコロジー医薬品開発企業です。当社のADCは標的度の高いバイオ医薬品で、特定の腫瘍細胞に存在する表面抗原に特異的なモノクローナル抗体を、リンカーを介して、極めて強力なピロロベンゾジアゼピン(PBD)をベースとする新規クラスの結合薬剤と結合させたものです。当社はPBDをベースとする4種の抗体薬物複合体を米国および欧州において進行中の第Ia/Ib相臨床試験6件で検討しています。その他の前臨床ADCの充実したパイプラインも開発中です。ADCTはアストラゼネカとその国際的なバイオ医薬品研究開発部門メディミューンを含め、世界レベルの提携企業との強固な関係に恵まれています。当社はスイスのローザンヌ(バイオポール)を拠点とし、営業所をロンドン、サンフランシスコ、ニュージャージーに構えています。(www.adctherapeutics.com)
本記者発表文の公式バージョンはオリジナル言語版です。翻訳言語版は、読者の便宜を図る目的で提供されたものであり、法的効力を持ちません。翻訳言語版を資料としてご利用になる際には、法的効力を有する唯一のバージョンであるオリジナル言語版と照らし合わせて頂くようお願い致します。
businesswire.comでソースバージョンを見る:http://www.businesswire.com/news/home/20171212006501/ja/
CONTACT
ADC Therapeutics
Dr. Chris Martin
Chief Executive
Officer
chris.martin@adctherapeutics.com
Tel.:
+41 (0) 21 653 0200
or
Alexandre Müller
Dynamics Group
amu@dynamicsgroup.ch
Tel:
+41 (0) 43 268 3231