東京
(ビジネスワイヤ) — サンバイオ株式会社(本社:東京都中央区、社長:森 敬太、以下「サンバイオ」)は、本日、国立大学法人 京都大学(京都市、以下「京都大学」)と、同大学が研究を進めている新規神経新生促進化合物アルジャーノンに係る共同研究に関する契約を締結いたしましたので、お知らせいたします。
アルジャーノンは、京都大学大学院 医学研究科・形態形成機構学研究室 萩原正敏教授の研究グループが、2017年にダウン症の出生前治療を可能にすると発表した新規化合物です。ダウン症では、神経幹細胞により供給される神経細胞数の低下が脳構造の発達不全の原因の一つであると考えられています。同研究グループはダウン症の疾患モデルを用いて、治療効果が期待される新規化合物、アルジャーノン(ALGERNON: altered generation of neuron)を発見しました。同化合物はダウン症で過剰発現していることが知られている遺伝子(DYRK1A: Dual-specificity tyrosine phosphorylation – regulated kinase 1A)の機能を抑制し、神経幹細胞を正常に増やす作用があることがわかっています。神経幹細胞は発生期だけでなく成体にも存在することから、アルジャーノンは神経細胞の変性や損傷が原因で失われた運動機能、感覚機能、認知機能を再生させる効果が期待されます。
サンバイオでは現在、独自開発の再生細胞薬SB623について、慢性期脳梗塞(米国)および慢性期外傷性脳損傷(日米)を対象にフェーズ2臨床試験を実施しております。SB623は、成人骨髄液由来の間葉系幹細胞に一過性に遺伝子改変したもので、脳梗塞や脳損傷で損傷を受けた部位の周辺に投与すると、神経細胞の再生を促し、失われた機能を回復させることができると期待される幹細胞治療です。これまで実施した動物試験では、脳梗塞モデルのマウスの脳にSB623を投与したところ、神経幹細胞の損傷部位への遊走、神経細胞の増殖、血管新生といった現象が確認されています。
今回の共同研究は、脳卒中に起因する神経系機能障害に対するアルジャーノンの効果を評価するもので、京都大学は本プロジェクトの統括および脳卒中における本化合物の薬理学的研究を、サンバイオは脳卒中モデル動物での薬効評価を担当します。京都大学とサンバイオは、脳卒中の後遺症に苦しまれている患者様に対する新たな治療法の開発を目指し、その第一歩として、本共同研究に取り組んでまいります。
businesswire.comでソースバージョンを見る:http://www.businesswire.com/news/home/20180131006505/ja/
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