米デラウェア州ウィルミントン
(ビジネスワイヤ) — インサイト(Nasdaq:INCY)は本日、白斑の成人患者で非ステロイド系抗炎症JAK阻害薬療法としてのルキソリチニブ・クリームを評価するランダム化二重盲検用量範囲探索第2相試験について、良好な52週の結果を発表します。
既報の通り、本試験は主要評価項目を達成し、溶媒対照(非薬用クリーム)を投与された患者と比較して、ルキソリチニブ・クリームの投与を24週間受けた患者の方が、顔面白斑部における重症度スコアのベースラインから50パーセント以上の改善(F-VASI50)を達成した割合が有意に高いことが証明されました。
52週の最新結果から、主要な副次的評価項目としての全身白斑重症度指標のベースラインから50パーセント以上の改善(T-VASI50)を達成した患者の割合で評価した場合、ルキソリチニブ・クリームによって全身での再色素沈着が相当に改善されることが示されました。さらに、1.5パーセントのルキソリチニブ・クリームを1日2回投与(BID)した52週後において、58パーセントの患者がF-VASI50を、51パーセントの患者が75パーセント以上の改善(F-VASI75)を達成しました。24週時のF-VASI75は既に進行中のTRuE-V1およびTRuE-V2の両第3相試験における主要評価項目となっています。
52週の結果は、スペインのマドリードで開催中の第28回欧州皮膚科学・性病学会(EADV)にて、本日2019年10月12日の中央ヨーロッパ夏時間午前11:30~11:45に最新演題リサーチセッションで発表します(場所:Hall 10 Dalí、Late Breaking News、Abstract #D3T01.1L)。
インサイト炎症・自己免疫グループのグループバイスプレジデントを務めるジム・リー(M.D.)は、次のように述べています。「私たちはEADVで発表された良好な最新データに大変励まされており、これらのデータはルキソリチニブ・クリームで治療を受けた患者における白斑病変が顔面と全身で相当な再色素沈着を実証しており、治療の延長で改善が継続しています。私たちは、人生を変えるほどの本疾患に罹患した患者が待ち望んでいる治療選択肢を提供すべく追求している中で、白斑患者でルキソリチニブ・クリームを評価するピボタル第3相試験が進行中であり、2021年に結果が見込まれていることに大きな期待を抱いています。」
52週時の結果は下記の通りです。
- 24週から52週へと治療期間を延長することで、VASIによる客観的評価に基づき、再色素沈着の改善がもたらされた。
- ルキソリチニブ・クリーム1.5パーセントのBID投与を受けた患者でF-VASI50を達成した割合は、24週から52週にかけて増加した(それぞれ45.5パーセント、57.6パーセント)
- F-VASIスコアのベースラインからの75パーセント以上(F-VASI75)および90パーセント以上(F-VASI90)の改善を達成した患者の割合はそれぞれ、ルキソリチニブ・クリーム1.5パーセントのBID投与を受けた患者で、52週で51.5パーセントおよび33.3パーセントであったのに対して、24週では30パーセントおよび12パーセントであった。
- ルキソリチニブ・クリーム1.5パーセントのBID投与を受けた全患者のうち、52週でT-VASI50を達成した患者の割合は36.4パーセントだった。ベースラインで全体表面積の20パーセント以下(治療制限が加えられる体表面積)の患者のうち、1.5パーセントBID投与を受けた患者の45.0パーセントが52週でT-VASI50奏功を達成した。
- ルキソリチニブ・クリーム1.5パーセントのBID投与を受けた患者で顔面白斑医師総合評価(Facial Physician Global Vitiligo Assessment、F-PhGVA)スコアで皮膚が「クリア」(白斑の証拠なし)または「ほぼクリア」(小さい脱色素斑のみ存在)を達成した割合は、24週から52週にかけて増加した(それぞれ9.1パーセント、21.2パーセント)。
- ルキソリチニブ・クリームはすべての投与強度で全般的に良好な忍容性を示し、治療関連の重篤有害事象の報告はなかった。
テキサス大学南西医療センターのAmit Pandya臨床教授(M.D.)は、次のように述べています。「多くの白斑患者が白斑病変の再色素沈着が可能な治療薬を求めますが、残念ながら現在の治療選択肢は効果が乏しいという制約があり、負担が重い治療レジメンであったり、副作用があったりします。本試験の最新結果は励まされるもので、白斑患者にとって効果的な治療選択肢となるルキソリチニブ・クリームの潜在力を実証しています。」
白斑について
白斑は慢性の自己免疫疾患で、メラニン形成細胞として知られる色素産生細胞の喪失によってもたらされる色素脱失が特徴です。JAKシグナル伝達経路の過剰活性は、白斑の発症および進行に関与する炎症を促進することが示されています。白斑は世界では約0.5~2.0パーセントの人口が患っており1、米国食品医薬品局(FDA)や欧州医薬品庁(EMA)が承認した白斑治療薬はありません。白斑はあらゆる年齢で発症し得るものの、多くの患者は20歳未満で最初の症状が現れます2。
本研究について
ルキソリチニブ・クリームの安全性と有効性について、インサイトがスポンサーとなり2017年4月に開始されたランダム化・二重盲検・用量範囲探索・溶媒対照・第2相試験(NCT03099304)で評価中です。
本試験の第1部は期間が24週間で、白斑と診断され、色素脱失領域が顔面では体表面積(BSA)の0.5パーセント以上、顔面以外では総BSAの3パーセント以上に及ぶ成人患者(年齢18~75歳)157人を組み入れました。患者は24週間にわたり、5つの治療群、すなわちルキソリチニブ・クリーム1.5パーセント、0.5パーセント、0.15パーセントのQD投与、ルキソリチニブ・クリーム1.5パーセントのBID投与、溶媒対照に均等にランダム割り付けされました。
本試験の第2部はさらに28週間にわたり(計52週間)、本試験の第1部に組み込まれた患者が参加しました。溶媒対照群の患者またはルキソリチニブ・クリーム0.15パーセントの投与で24週時にF-VASIの25パーセント超の改善を達成した患者をルキソリチニブ・クリーム1.5パーセントのBID投与、1.5パーセントのQD投与、0.5パーセントのQD投与にランダム割り付けしました。非盲検の治療延長として、1.5パーセントのBID投与を受ける治療が現在進行中です。
有効性の主要評価項目は、溶媒対照の治療を受けた患者との比較で、ルキソリチニブ・クリーム治療を受けた患者のうち24週時にF-VASI50スコアを達成した患者のパーセンテージとしました。主要な副次的評価項目には、24週時にF-PhGVAスコア0ないし1を達成した患者の割合、52週時にT-VASI50を達成した患者の割合、ルキソリチニブ・クリームの安全性および忍容性が含まれています。
本試験の詳細情報については、https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03099304をご覧ください。
ルキソリチニブ・クリームについて
ルキソリチニブ・クリームは、インサイトの選択的JAK1/JAK2阻害薬ルキソリチニブの専有的な製剤で、局所使用向けに設計されています。ルキソリチニブ・クリームは現在、軽度から中等度のアトピー性皮膚炎患者の治療(TRuE-AD)を目的とした第3相開発プログラムの段階にあり、最初の試験結果は2020年前半に得られる見込みで、白斑の青年・成人患者の治療(TRuE-V)にも使用されています。インサイトはルキソリチニブ・クリームの開発および商業化に関する世界的な権利を保有しています。
インサイトについて
インサイト・コーポレーションはデラウェア州ウィルミントンに拠点を置くバイオ医薬品企業として、専有的な治療薬の創薬・開発・商業化に傾注しています。インサイトの詳細情報については当社ウェブサイト(www.incyte.com)をご覧ください。
@Incyteをツイッター(https://twitter.com/Incyte)でフォローしてください。
将来見通しに関する記述
本プレスリリースに記載された内容は、歴史的情報を除き、白斑でルキソリチニブ・クリームを検討する当社の第3相プログラム、同プログラムのデザイン・時期・結果予想、ルキソリチニブ・クリームが白斑患者にとっての効果的治療選択肢となる可能性、ルキソリチニブ・クリームが白斑治療薬として承認されるかどうかとその時期に関する記述を含め、予測や推定、その他将来見通しに関する記述を含んでいます。これらの将来見通しに関する記述は、当社による現時点の予測に基づくものであり、リスクや不確実性の影響を受けます。それらのリスクや不確実性は、実際の結果が大きく異なる場合の原因となり得ます。それらのリスクや不確実性には、予期しない展開やリスクとして、当社開発パイプラインの有効性ないし安全性、さらなる研究開発の結果、医薬品開発に伴う高度のリスクや不確実性、臨床試験と規制承認プロセス、その他の市場要因や経済要因、競争上の前進や技術上の発展、2019年6月30日締め四半期に対するフォーム10-Q報告書を含め、当社が証券取引員会に提出した報告書に随時詳述されたその他のリスクなどがあります。インサイトは、これら将来見通しに関する記述を更新する意図と義務を一切否認します。
1 Kruger C. A review of the worldwide prevalence of vitiligo in children/adolescents and adults. Int J Dermatol. 2012;51(10):1206-1212.
2 Rodrigues M. New Discoveries in the pathogenesis and classification of vitiligo. J Am Acad Dermatol. 2017; 77:1-13.
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